夫の持ち物を調べた私が感じた罪悪感と疑念

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探偵事務所に調査を依頼してから、私は夫の持ち物を片っ端から調べた。

鞄の中。
財布の中。
自家用車の中。
携帯電話。
夫の自室の引き出し。
郵便物や書類。

目に見えるもの、手が届くものはすべて確認した。
浮気の証拠になりそうなレシート、不審なLINEやSNSのやり取り。
どんなに小さな手がかりも、見逃すわけにはいかなかった。

調べるうちに、意外な事実に気づく。
夫はとにかく整理整頓が苦手だった。

財布の中からは2年前のレシートが出てきた。
小銭は無造作に放り込まれ、カード類もぐちゃぐちゃ。
鞄の底には意味不明なメモや紙くず、硬貨が転がっている。

車の中も同じだった。
見た目は片付いていても、コンソールやグローブボックスには、いつのものか分からない領収書やコンビニのゴミ。
そこは、整頓とは無縁の空間だった。

「こんなにだらしない人間が、浮気なんて器用なことできるの?」
そう疑いたくなるほどだった。

でも、散らかっていることと、浮気していないことは別問題だ。

私は、自分の行動に対する葛藤と罪悪感を抱えていた。
もし自分が同じことをされたら──財布や鞄を勝手に覗かれるなんて絶対に嫌だ。
それを今、自分がやっている。

たとえ目的が「浮気の証拠を掴むため」だったとしても、プライバシーを侵害している事実は変わらなかった。

夫がだらしない性格だったおかげで、少し中身を動かしてもバレなかった。
それは助かった反面、「私は最低なことをしている」という思いが、日ごとに積み重なっていった。

夫を信じたい。
浮気なんてしていないと思いたい。

でも、その気持ちとは裏腹に、私は今日も夫の持ち物を探っている。
信じたい気持ちと、調べなきゃという思いがぶつかって、精神的にどんどん追い詰められていった。

食欲がなくなり、何を食べても味がしない。
胃が重く、吐き気がする日もあった。

それでも私は、まだ望みを捨てきれなかった。
「もしかしたらプラトニックかもしれない」
「黒じゃないかもしれない」

けれど──もしそれが完全な黒だったとき、私は立ち直れるのだろうか。

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