泌尿器科に通う夫——私とはもうないのに、誰とのための薬?

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泌尿器科。
恐れていたことが起こったのだろうか。
最初に泌尿器科に行ったのは、私と夫、二人一緒だった。
「夫婦の問題として向き合おう」と思って、私は付き添った。

診察の結果、EDの傾向があると言われた。
けれど、治療の話は途中で終わった。
不倫が発覚してから日が経つと、開き直ってきたのだ。
「もう、そういうのはいいだろ。レイとそんなことしようと思わない。」
その言葉の冷たさに、私は何も言えなくなった。

なのに、今日はバイクショップにいたと嘘をつき、泌尿器科とショッピングモールに行っていた。
「なぜ?」
私とはもう、何の関係もないのに。

夫を調べようと思ったときからずっと続けている身の回りの用品のチェック。
財布の中を見ると、そこにあった。
ED治療薬のシート。

私とではない誰かのため。
薬は、不倫相手との関係のために使うつもりだ。

胸の奥がひりつくように痛んだ。
私があの場に一緒に行って、勇気を出して向き合ったのに。
その時の気持ちを、夫はどう思っていたんだろう。

薬の銀色のシートを手に取ると、心がざらざらと削れていくようだった。
自尊心も、女としての尊厳も、静かに崩れていく。

——夫は、私の知らない顔をして生きている。
薬を飲んでまで、不倫相手とシたいのか。

何とも言えない感情が渦巻く。
私が一体何をしたというのだ。

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