GPSが示した場所は「ショッピングモール」——体調不良を装って見た、夫の本性

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GPSは、その後ずっとショッピングモールを示していた。
私は早く帰ることにした。

職場には「体調不良で早退します」と伝えた。
本当は元気だった。でも、今日は確かめたかった。

職場を出た直後、夫にLINEを送った。
「体調が悪くなったから帰るね」
すぐには既読にならなかった。

私の職場は自宅から車で一時間ほど。
それなのに、家に着いたとき、夫はいなかった。
LINEを確認すると、既読になっていた。

「どこかに出かけたの?」
自分でも白々しいと思った。どこにいるかなんて、GPSで全部わかっているのに。

すると、すぐに電話がかかってきた。
「出かけてるけどどうしたの?」
「体調不良で早退した。晩ごはんの材料も買えてないからお願いしたいの」
「子どもを迎えに行くときに買っとくよ。後で何が欲しいかLINEしといて」

───私、体調不良って言ったよね。

時間は午後3時。子どもの迎えは5時。
思いやりのかけらも見られなかった。
不倫相手と一緒にいるのだろうか。
馬鹿馬鹿しくなってくる。勝手に期待していた自分にも腹が立つ。

誰もいない家で、ぼんやりと天井を見上げた。

夕方、夫が子どもを迎えて帰ってきた。
「体調はどう?」と口だけの心配を見せる夫。
「大丈夫。ちょっと休んだら良くなった」
そう答える私に、子どもたちが心配そうに「お母さん大丈夫?」「何食べれる?」と聞いてきてくれた。
胸が締めつけられた。——この優しい子たちを裏切っているのは、夫なのだ。

夫は聞いてもいないのに饒舌に言い訳を並べた。
「今日はバイクを見に行ってたんだ。すごく時間かかったけど、いいのなかったな。ああいうとこ、一日かかるよね」

GPSは嘘をつかない。
けれど、夫は平気で嘘をつく。

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