小さな違和感が積み重なっていく

当ページのリンクには広告が含まれています。

一つ引っかかることがあると、そこから次々と別のことまで引っかかるようになる。
「気のせいかも」って思えば流せるくらいのことなのに、その小さな引っかかりはじわじわと重みを増していく。

たとえば、夫の帰宅時間。
極端に遅くなったわけじゃない。でも、なんだか時間の流れ方がおかしい気がする。
「ちょっと寄ってきた」とか「電車が遅れててさ」って言葉に嘘は感じない。
ただ、前よりも説明が淡々としていて、あっさりしてる。
昔はもっと自然に、あれこれ話してくれてた気がするのに。
その「なくなった」という事実だけで、どうしてこんなに胸に引っかかるんだろう。

目を見て話す時間も減った。
私が話しかけても、スマホをいじったまま、テレビを見たまま。
なんとなく、私の声が夫の中に届いてない気がする。

寝室も静かすぎる。
前はあったはずの会話やぬくもり、ちょっとした音や気配。
それが少しずつ消えていって……
でも、いちばん怖いのは、その静けさに自分が慣れてきてしまっていること。

「これでいいんだ」って、自分に言い聞かせてる。
でも本当はわかってる。このままじゃ、きっと限界が来るって。

なんとなく感じる。
夫の中に、私の知らない時間や空気があるって。
でも、それを確かめるのが怖い。
今ある「壊れてないように見える日常」が、本当に壊れてしまいそうで、怖くて仕方がない。

だから私は黙ってる。
探らないし、聞かないし、知らないふりをする。
それが正しいのか、ただの臆病なのか、自分でもわからない。

最近は、会話の終わり方にも違和感がある。
なぜか、私が悪者みたいになって終わることが増えた。
気づけば、いつも私が「ごめんね」って言って終わってる。

たぶん、このまま暮らしていけば、形だけの夫婦は続くと思う。
夫は家に帰ってくるし、私たちは「家族」を演じられるかもしれない。

でももう、心から「信じてる」なんて言えなくなってしまった。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

目次