義実家からの帰宅|帰り道と帰宅後に見えた夫の自己中心的な姿

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義実家での滞在を終えて、帰宅の日になった。
朝、夫の両親は最後まで子どもたちを笑顔で送り出してくれた。その優しさに胸が痛んだ。私たち夫婦の間にある亀裂を、この人たちはきっと想像もしていない。

高速道路に乗ると、車の中はいつもの沈黙。夫はハンドルを握りながら、ため息ばかりついている。私と子どもたちはぽつぽつと会話をつなぐけれど、夫はほとんど反応しない。まるで「運転してやってる」という空気を全身から漂わせていた。

途中のサービスエリアで休憩したときもそうだった。子どもたちが「ソフトクリーム食べたい!」と目を輝かせても、夫は「勝手に買ってこいよ」とだけ言って、スマホをいじりはじめる。子どもを二人連れて行列に並ぶのは私。財布を取り出すのも私。夫は日陰で腕を組み、退屈そうに立っているだけ。家族旅行に来ている父親とは思えない姿に、もう言葉も出なかった。

帰りの車の中で子どもたちが眠り始めると、夫は急にBluetoothに繋いだ音楽を大きめの音量にして流し始めた。「眠いんだよな」なんて独り言を言いながら。子ども達が寝ているのが分かっているはずなのに、私は心の中で何度も「なんでこんなに思いやりがないんだろう」と繰り返していた。

家に着いたのは夜。玄関に荷物を運び入れるのも、冷蔵庫にお土産を入れるのも、全部私。夫は「疲れた」と言ってソファに寝転がり、スマホをいじりながら知らん顔。子どもたちが「お父さん、一緒にお風呂入ろう」と声をかけても、「明日な」と言って動かない。

私は台所で洗い物をしながら、自分の心の声が聞こえてきた。

──どうして私ばかり、こんなに背負わされるんだろう。
──どうしてこの人は、何も気づかないふりをしていられるんだろう。

夫に期待しないようにしよう。そう思えば思うほど、虚しさが大きくなる。子どもたちの寝かしつけまでを終えてリビングに戻ると、夫は変わらずスマホを見ていた。その横顔を見ながら、私は心の奥で冷たく固まっていくのを感じていた。

義実家での「いい夫」の顔と、帰宅後の「自己中心的な夫」。その落差に、もう驚きはなかった。ただ、この先の未来を考えるたびに、胸が締めつけられるだけだった。

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