※この記事は私自身の体験を記録したものです。配偶者のスマートフォンやアカウントを確認する行為には、プライバシーや法的な問題が生じる場合があります。同じ方法を推奨するものではありません。
調査が始まる前に、できるだけ情報を集めたかった
探偵に相談してから、私はとにかく情報を集めることにした。
調査をお願いしたからといって、必ず何かが出てくるわけじゃない。
何の手がかりもないまま調査をしても、空振りになるかもしれない。
それに、もし夫に気づかれて警戒されたら、何もわからなくなってしまうかもしれない。
だからその前に、私にわかることはできるだけ知っておきたかった。
「スマホは見ないほうがいい」
「見たら、もう元には戻れない」
そんな話があることも知っていた。
それでも私は、確かめずにはいられなかった。
まだこのときも、心のどこかでは思っていたんだと思う。
私の考えすぎかもしれない。
何もなければ、それでいい。
そんな気持ちも、まだ残っていた。
夫が眠ったあと、スマホを開いた
夫のスマホのパスコードは、以前から知っていた。
わざわざ盗み見たわけではない。
夫は私の隣で普通にスマホを操作していたし、何度も見ているうちに、その指の動きが自然と目に入っていただけだった。
うちは、夫と私、子ども二人の4人で同じ寝室に寝ていた。
私は子どもたちを寝かしつけたあと、一人で起きて仕事をすることも多かった。
もともと眠りも浅くて、夜中のちょっとした物音でも目が覚める。
ある晩。
夫が寝息を立て始めたあと、私は夫のスマホを手に取った。
部屋は真っ暗だった。
画面の光だけが、ぼんやりと手元を照らしていた。
心臓の音がやけに大きく聞こえた。
パスコードを入れて、LINEを開いた。
気になっていた女性の名前があった
トーク一覧を見ていると、気になっていた女性の名前があった。
表示名はイニシャル。
アイコンはシンプルなイラストだった。
見つけた瞬間、
「あった」
と思った。
でも、開くのが怖かった。
ここを開いたら、何かが変わる気がした。
それでも私は、そのトークを開いた。
履歴は残っていた。
やり取りを読んでみると、最初は拍子抜けするくらい普通だった。
仕事の相談。
日常の話。
弱音。
そこに「好き」とか「会いたい」とか、恋人同士だとすぐにわかるような言葉が並んでいたわけではなかった。
だから一瞬、
やっぱり私の考えすぎだったのかな。
と思った。
でも、読み進めるうちに、その気持ちは少しずつ消えていった。
「いつものところで待ってる」
ある日のやり取りに、こんな内容があった。
「今、〇〇駅出たらそっち向かうね」
「いつものところで待ってる」
いつものところ?
その言葉が引っかかった。
初めて会う人との会話じゃない。
何度も会っているから出てくる言葉に思えた。
別の日には、
「さっき△△さん見かけたかも。時間ずらそっか」
「そだね、5分だけ待ってから行くね」
そんなやり取りもあった。
私は、その文章を何度も読み返した。
どうして時間をずらす必要があるんだろう。
どうして知っている人に会わないようにするんだろう。
ただの同僚なら、そんなことをする必要があるの?
ひとつひとつの言葉は、決定的なものではなかった。
でも、それが重なるほど、
「何かを隠している」
という感じだけが強くなっていった。
「私の勘違いかも」が消えていった
カウンセラーさんに言われた言葉が、ふと頭をよぎった。
「女性の勘は、ほぼ100%当たります」
相談したときは、
「そんなものなのかな」
くらいにしか思っていなかった。
でも、画面に並んでいるやり取りを見ながら、
これが、ずっと感じていた違和感の正体なの?
と思った。
まだ、この時点で決定的なものを見たわけではない。
それでも、
「何もない」
とは、もう思えなかった。
最初のメッセージまでさかのぼった
私は、そのまま過去のやり取りをたどっていった。
どこから始まったんだろう。
いつから、この二人はこんな関係だったんだろう。
知りたくなかった。
でも、知らずにはいられなかった。
そして、最初のメッセージの日付を見つけた。
一瞬、意味がわからなかった。
もう一度、日付を見た。
見間違いじゃなかった。
約5年前だった。
5年前。
その数字を見ても、すぐには頭が追いつかなかった。
5年前って、いつ?
その頃、私は何をしてた?
子どもたちは何歳だった?
私は普通に家族として暮らしていた。
夫を信じていた。
何も知らなかった。
その時間の裏で、この二人はずっとつながっていたの?
頭の中で、これまでの時間がぐるぐると回った。
「最近始まったことなのかもしれない」
どこかで、そんなふうに思っていた自分がいた。
でも、違った。
私が「なんか違う」と感じ始めるより、
ずっと前からだった。
あの「なんか違う」が、初めて形になった夜
あの夜まで、私はまだどこかで夫を信じようとしていた。
私の考えすぎかもしれない。
仲のいい同僚なだけかもしれない。
何か理由があるのかもしれない。
何度もそうやって、自分の中の違和感を打ち消してきた。
でも、スマホの画面に並んでいた言葉を見て、
もう以前のようには思えなくなった。
「なんか違う」
ずっと消そうとしていたその感覚が、
初めて、はっきりとした形を持った夜だった。
それでも私はまだ、
この先、自分が何を見ることになるのかを知らなかった。
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