「少し寂しい」夫の言葉を、私は信じた|違和感を打ち消した一言

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あの頃から、夫に対する小さな違和感は消えなかった。

何かがおかしい。

でも、何がおかしいのかはわからない。

考えすぎなのかな。

私が気にしすぎてるだけなのかな。

そう思いながら、しばらくはいつも通りに過ごしてた。

でも、やっぱり気になる。

このままずっとモヤモヤしてるくらいなら、一度ちゃんと聞いてみよう。

そう思った。

目次

思いきって夫に聞いてみた

ある日、夫に聞いてみた。

「最近、ちょっと疲れてるように見えるけど……何かあった?」

夫は少し黙って、それからぽつんと答えた。

「仕事でちょっと疲れてるんだ。レイも最近忙しそうだし。……少し寂しいなって思う」

その言葉を聞いたとき、私は素直に受け止めた。

あぁ、夫も寂しかったんだ。

私が忙しくしてたから、寂しい思いをさせてたんだ。

それでも私のことを責めずに、我慢してくれてたんだなって思った。

「そうなんだ。ごめんね。できるだけ早く帰るようにするね」

そう返すと、夫はちょっとだけ笑って、軽くうなずいた。

その瞬間、少しほっとした。

「もっとちゃんと向き合おう」と思った

夫の寂しさに気づけてよかった。

もっとちゃんと向き合おう。

話す時間を大事にしよう。

仕事が忙しいことを理由にして、夫婦の時間を後回しにしないようにしよう。

そんなふうに思った。

それまで感じていた「なんか違う」という感覚にも、理由が見つかったような気がした。

夫は仕事で疲れていて、私も忙しかった。

だから、少し距離ができていただけなんだ。

そう思えば、全部説明がつく気がした。

だから私は、それ以上疑わなかった。

というより、疑う必要なんてないと思った。

夫の言葉を信じた。

あの「寂しい」という言葉の意味

……でも、あとになって知ることになる。

あの頃、私が知らなかったことを。

私は、

「夫も寂しかったんだ」

「私との時間をもっと大切にしたかったんだ」

そう受け取ってた。

だから、自分にも原因があったのかもしれないって思った。

もっと早く帰ろう。

もっと話そう。

もっと夫婦の時間を作ろう。

そう思ってた。

でも、あとになって不倫の事実を知ったとき、あの日の会話を何度も思い出した。

そして、私の中で「寂しい」という言葉の意味が、まったく違うものに変わった。

あのときの私は、まだ何も知らなかった

今振り返れば、

「どうしてあんなに素直に信じたんだろう」

って思う。

でも、あのときの私には知りようがなかった。

夫婦なんだから、夫の言葉を信じるのは当たり前だと思ってた。

疑うより、信じる方を選んだ。

たぶん私は、夫を信じることで自分の心も守ってたんだと思う。

このときの私はまだ知らない。

これから、自分が感じていた小さな違和感が、一つずつ形になっていくことを。

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